Gジェネを好きになったことがない
GジェネFR出身には
ミネバいえ。GジェネFR出身には、Gジェネをやっているだけで嬉しいものです。
老主人
わしらのような者には、このGジェネが疎ましくなることもある。
マクロを使えば、楽に進められるんじゃないかってな
ミネバ
……ずっと、Gジェネをやっておられるのですか?
老主人
ああ。いまさら離れられんよ
……わしらの世代は、PlayStation用SDガンダム GGENERATIONから育っとる。
そりゃぁ面白いものだった。
それをスマホ版でなんとかしたくて、バンナムはSDガンダム GGENERATION FRONTIER
を作り、スマホ移民ってやつを始めた。
機体やキャラの枠増やさないとまともにできないのを無理やり課金させられた、って言うやつもいるが、望んで課金した連中も大勢いた。
新しい機体やキャラを手に入れるまで、もうガシャを引き続ける覚悟してな。
それも、フロンティアバーストでほとんど元の木阿弥になっちまったが……
ミネバ
……救われませんね
老主人
……まぁしょうがない。
すべて善意から始まっていることだ
ミネバ
善意?
老主人
バンナムもスマホ移民も、もとはGジェネを楽しみたいって善意から始まってる。
会社を儲けさせたり、家族の暮らしを良くしたいと願うのと同じで――
ミネバ
でもそれは、ともすればエゴと呼ぶべきものになります
老主人
そうかも知れんがね……。
それを否定してしまったら、この世は闇だよ
自分を殺して全体のために働ける奴ってのもいるんだろうが、それはそれで胡散臭い。
バンナムの大塚Pとかな……。
すべてユーザーのためだと言いながら、インフレを加速させる……。
本当は、Gジェネを好きになったことがない男だったんじゃないかな
ミネバ
では、どうすれば――
老主人
さあなぁ。わしらには、そいつがわからなかった。
努力はしたつもりだが、結局はツケを先送りにしただけで、あんたたちに何もしてやれんことを悔いながら生きている。
わしには、その最後に課金してやるだけが精一杯だ……
――んんっ?
ミネバ
……そうか。そうですね……。
私に、やれること……
美味しいコーヒーでした。
このコーヒーを飲めただけでも、Gジェネをやっていた価値はあったと思います
Gジェネの怨念
ジンネマン……なんで泣く
バナージ
Gジェネがもう終わりなんだなって……
ジンネマン
Gジェネが終わるなんて話が、嘘に思えてくるな……。
だが、ここいらの空も昔より汚れている。
イベントも、もう新規がなくなっているらしい
すべてユーザーのやったことだ。
乱開発に、イベント周回。
Gゴールドが無課金から生まれた物なら、運営の収益や利益も、なくなるってことになる。
このまま運営ができなくても、それはそれで、運営とユーザーがバランスをとった結果ということなんだろう。
運営に慈悲なんてものはない。
昔の人間は、そいつを知っていた。
ほかならぬ、ユーザーの本能としてな
バナージ
……だから、楽しむために仲間を作り、情報を集めて楽しんだ……
ジンネマン
ああ。だがそいつが複雑になりすぎて、いつの間にか人は、その強さを維持するために生きなきゃならなくなった。
挙げ句、楽しむことを難しくしちまって、その本末転倒から脱するために、GジェネREへ新天地を求めた
そこでまた別のシステムってやつができあがった。
設計開発が期限無制限、無課金ユーザーに希望を与え、生きる指針を示すための必然。
それがGジェネREだ。
収益の上げられない運営はそいつを否定した。
出自の違うシステム同士が相容れることはないからな。
どちらかがどちらかを屈服させようとするだけだ
バナージ
……でも、バンナムっていう運営があって、Gジェネにたくさんのユーザーがいる世界なんて、きっと昔は夢物語でしたよね。
そういう可能性も、Gジェネにはあるんじゃないですか……?
ふたつの考え方が、いつかひとつになることだって――
ジンネマン
みんなが平等に束ねられたわけじゃない。
収益の上がらない運営に潰された大塚Pの怨念は、いまでもこのGジェネにへばりついている
バナージ
哀しいことです、それは……
ジンネマン
……ああ、哀しいな。哀しくなくするために生きているはずなのに、なんでだろうな……
バナージ
……うぅッ
ジンネマン
……ん?
バナージ
……(すすり泣き)
ジンネマン
バナージ――
バナージ
わかってますよ。男が人前で泣くもんじゃないっていうんでしょう……
ジンネマン
……いや。Gジェネを想って流す涙は別だ。
何があっても泣かないなんて奴を、俺は信用しない
バナージ
……(声を上げて泣く)